Vitaのスティックが誤作動を起こすので分解してみた話

【2016/10/08 追記】
足りなかったネジを追加して元に戻してから数十時間は遊びましたが、分解前に発生していたスティックの誤作動がまったくなくなりました。Vitaのスティック故障の原因はスティックの部品を止めるネジが1つ足りていないことの可能性がとても高いです。なぜこんなことになってしまっているのか分かりませんが、スティックの誤入力が頻発している人は可能ならば一度分解して中を覗いてみるといいかもしれません。もしスティックを固定するネジが1つしかなかったらそれが原因かもしれません。
【追記終わり】

PlayStation Vita(PCH-2000)、いわゆる新型のPS Vitaのスティックが頻繁に誤作動を起こすので分解してみようと思って中身を覗いてみました。発生していた不具合は、アナログスティックを使用するゲームや内蔵アプリで、触っていないのに勝手に特定の方向にカメラやキャラクターが動いてしまうというものです。左右両方のスティックで発生し、今持っている本体は2度プレイステーションクリニックに修理に出して部品交換されています。修理から帰ってきてもひと月くらいで再発するのでもうどうしようもないと諦めかけていましたが、分解して掃除でもしてみようと、思い切って中身を開けてみることにしました。

分解のやりかたはググればいくらでも丁寧な解説が見つかるのでここには書きませんが、特別な道具や技術は必要なく小さなプラスドライバーと細かい作業用にピンセットでもあれば十分でとても簡単です。

↑電源を切りメモリーカードとゲームカードを抜いて、ネジをすべて外して本体を開きました。背面タッチパネルから伸びている配線に注意します。このタイプの線は先端を固定しているプラスチックの爪をピンセットやドライバーの先でパチッと立ててやると引き抜いて外せます。引きちぎらないように注意します。

↑右スティック側の基盤です。3カ所の配線と2本のネジを外せば簡単に取り外せます。

↑右スティックを裏側から見たところです。何かおかしいですね。ネジ2本で固定するようになっているところがネジ1本だけです。4gamerなどの分解記事を見るとここは2本のネジでとめられているはずなのですが。ネットでVitaの分解について検索してみると、ぼくの本体と同じくここのネジが1つしか付いていないという記述がいくつかヒットします。

↑左スティック側も分解してみたところ、こちらもネジは1本です。なんだかぐらぐらしそうで強度的に頼りない印象を受けます。もしかしてこれのせいでスティックの部品がしっかり固定されずにぐらついて謎の誤入力が発生するのでは…と思いつきました。

↑旧型のほうですがVitaをもう1台持っていたので同じサイズのネジを取り外して新しいほうのスティック固定用に移植することにしました。これで直れば儲け物。

↑2カ所でしっかり固定します。ネジ穴がまったく使われていなくてきついのでゆっくり慎重にまっすぐねじ込みます。2度も修理に出してネジ1本のままだったということは、いつからだか知りませんがスティック固定用のネジは1本にするというのが仕様なのでしょう。単なる手抜きのコストカットなのか、逆にネジ2つでとめると何か別の不具合が発生するのかそこらへんの事情は分かりません。少なくともぱっと見た感じ、2カ所でネジをとめることでネジが邪魔で上の基盤に当たるとか、うまく固定できないとかそういうことまったくなさそうです。なぜネジ1本で組み立てることになってしまったのか不思議ですね。

あとは分解したパーツを元に戻してカバーを閉じて終了です。意外と簡単で難しくないので部品交換はそれほどめんどくさくないです。電源を入れて、ゲームの起動、充電、ボタン類がすべて正常に動くことを確認しました。壊れなくてよかった。

そしてこの後ゲームを普通に遊んでいましたが、分解前には必ず発生していたスティックの誤入力がまったくなくなりました。まだ数時間しかテストプレイしていませんが以前は遊びだしたら必ず誤作動を起こしていたのがまったく起きません。これで完全に直ったのかどうかはよく分かりませんが、スティックの部品の固定方法がネジ1本ではあまりに不安定だったのでこれが故障の原因のような気がします。2000型のVitaは旧型に比べてスティックの不具合報告がとても多いのでどこか設計にミスがあるのではとずっと思っていたのですが、まさかこんなネジが足りないとか単純なものなんでしょうか…。新型Vitaのスティックの誤作動はかなりの人が困っていると思うのでこれが何かの助けになればと思いここに書き残しておくことにします。